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オイライフログ 3 「蜘蛛巣城」

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ライフログで載せたいモノ紹介、第3弾!!
巨匠・黒澤明監督の「蜘蛛巣城」だす!!なんと1957(昭和32)年の作品!!
こいつぁ大作です!!黒澤監督の作品は他も名作ばかりですが、まずはこれです!!

              STORY
時は戦国時代。
蜘蛛巣城の武将・鷲津武時(三船敏郎)は、戦からの帰り、迷い込んだ森の老婆から「いずれ蜘蛛巣城の城主になる」と予言される。妻(山田五十鈴)にそそのかされ、主君を殺害した武時は予言通り城主となったが、妻はまた親友の三木義明(千秋実)を殺害するよう強要する……。



物語のアウトラインはW.シェイクスピアの四大悲劇「マクベス」で構成されてます。洋のマクベスを和に置き換え、映像化された作品。物語の展開は「マクベス」そのものです。
ホンマモンの戦国武将に見える世界のミフネに、今まで観た中で一番怖い「マクベス夫人」役の山田五十鈴。三人の魔女は一人の老婆に集約されてますが、正体(!?)を見せた時、三人に戻ります。その配役がスゴイ。※ヒント「七人の侍」が他で揃い踏みしてる唯一の映画です。
マクベスを知らずに観ても、知ってて観ても面白い映画です。オイラはそれで2回楽しみました。

よく黒澤作品で「陰は蜘蛛巣城、陽は隠し砦の三悪人」と対比されるように、物語は全編血生臭さが抜けません。その中でマクベスにあたる武時の人間的な苦悩と底知れぬ野心をミフネが鋭く演じ、また、栄華を捨てきれぬ傲慢さと、その転落ぷりが見事に活写されてます。
てか、この映画はある意味ホラーです。出てる人たちが後の名優ばかりなせいもあって、人間の黒い心を克明なまでに演じ、役を印象付けてるので娯楽映画な感じがしません。映画監督や演出家になりたい人にはすんげー勉強になるはずです。
あとは白黒映画に耐えられるか。でも、その理由で観ないってのは非常にもったいないことですヨ。
この映画の一番の醍醐味はラスト。当時も、いや今でも語り草になってるシーンですが、合計何百本という矢が一斉に武時に襲いかかるシーン。「スターウォーズ」や「マトリックス」に代表されるようなCGがない時代にこの映像を作り上げた黒澤監督が素晴らしい。監督の偉大な理由はやはりその撮影手法と巧みなアイディア活用に由来します。圧巻です、ぜひぜひチェックしてくださいまし。ダウンタウンの松ちゃんが激讃してるシーンなんですから!(言っとこ、きっかけになるかもしれん)。あと、物凄い形相のミフネの最後のアップもお忘れなく!!

黒澤作品の有名どころといえば「羅生門」「七人の侍」「用心棒」。どちらかといえば時代のアウトローを描いた作品が人気高いですが、オイラはこの「蜘蛛巣城」が大好きです。いろんな先入観を捨ててフラットに観ると、とっても衝撃を受けます。どーぞ観てくださいまし。
by hossynoblog | 2005-08-03 20:20 | オイライフログ


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